院長ご挨拶

私が専門として診療して参りました泌尿器科は、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)・男性生殖器(前立腺、精巣)・内分泌(副腎)を対象にし、診断から治療に 至るすべてを通じて全身の管理を行ってまいりました。また、腎臓内科としての腎炎やネフローゼ、 慢性腎臓病の合併症である高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の治療に関して、臨床経験を多く積んでまいりました。

これらの経験から、皆様の体調不良の際に身近な場所で診断・治療に当たれるかかりつけ医としての役割を担い、安心・安全の医療を目指します。

また、排尿に関しての症状はなかなか下の事として我慢してしまうことが多いと思います。これらの疾患は、生活の質を維持するためにも軽視できないことですので、いつでもご相談いただき、身近な存在から泌尿器科領域の専門性を生かした治療をご提供いたします。
皆様の思いに寄り添い、健康で質の高い生活をサポートできるクリニックを目指し、スタッフ一同努力してまいります。 ぜひ、お気軽ご相談くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

はせがわクリニック
院長 長谷川 道彦

  • プロフィール

    • 岩手医科大学 医学部 卒業
    • 岩手医科大学 泌尿器科 講師
    • 岩手県高度 救命救急センター 講師
    • 盛岡赤十字病院 泌尿器科 部長
    • 東邦大学医療センター大森病院 泌尿器科 客員講師
  • 所属学会

    • 日本泌尿器科学会専門医
    • 日本癌治療学会
    • 国際外科学会
    • 腎癌研究会

院長インタビュー

開業の経緯

出身大学は岩手医科大学です。親元を離れて暮らしてみたいという想いもあり、岩手の大学に進学しました。それ以降、開業するまでの約26年間を岩手で過ごしました。医学部を卒業した後は大学病院の泌尿器科で臨床と研究に従事。ちなみに学位を取得した論文のテーマは腎癌とビタミンDの関連についてです。臨床に関しては、外来診療から腎移植手術、免疫抑制剤を使う術後管理、癌治療までさまざまな経験を積み、麻酔科で呼吸管理などの全身管理も学びました。

さらに、高次救急センターで救命救急にも携わったほか、泌尿器科部長を務めた盛岡赤十字病院では透析も含めて病棟を管理していました。大学病院などでは重篤な患者さんを多く診ていましたが、もっと身近に日常の健康管理から取り組みたいという想いはずっとありました。大きな病院だと退院された後の患者さんを診る機会がありません。日常生活に戻ってからも、最後まで責任を持って診ていきたいと考えていました。

地域に根付いたクリニックならば、在宅医療も含めて最後まで患者さんに寄り添うことができ、普段の生活からQOLの維持・向上をサポートしていけます。家の事情で2008年に東京に戻った私は、そのような想いを実現するため、実家に近い武蔵新田で開業することにしました。

病院の特徴

開業してからは在宅でのターミナルケアも含めて、腎臓・泌尿器・内分泌の疾患や生活習慣病、風邪などの急性疾患など何でも診ています。大きな手術が必要な場合には連携する基幹病院に紹介していますが、切り傷などの簡単な外科処置であれば当院でも対応可能です。

泌尿器科の診療では、「尿が出にくい」といった排尿障害、「尿意が頻繁に生じて夜中に起きてしまう」「漏れる」といった蓄尿障害を多く診ています。失禁を恐れて外出を控える方もおり、QOLの低下も引き起こす障害です。50歳を過ぎた男性は前立腺肥大症、女性の場合は過活動膀胱や膀胱炎などの疾患に伴って排尿・蓄尿障害もよく現れます。「年だから」と諦めてしまっている方も多いのですが、治療によって元通りの活動的な生活に戻れるので、気になる症状がある場合は受診していただきたいと思います。

また、腎臓・内分泌に関するところでは糖尿病の管理などを行っています。糖尿病は進行すると腎不全を引き起こし透析も余儀なくされるので、そのような状態に陥らないよう適切にコントロールしていくことが必要です。そのほか、疾患としては尿管結石や性感染症などの治療に対応しており、在宅診療では尿道カテーテルの管理や末期癌の緩和ケアなども行っています。

大切にしている理念

診療で心がけているのは患者さんごとの事情を考慮して、心にも身体にも優しい治療を行うことです。病院時代は疾患ごとのエビデンスに基づいた治療法を選択していましたが、患者さんが望んでいるのは必ずしも教科書的な治療ではありません。現在の診療では一人ひとりの訴えにしっかりと耳を傾けて想いを汲み取り、一切不安を残さずに診察室を後にしていただけるよう意識しています。待合室も日差しの入る明るい空間にしているので、少しでも楽な気持ちになっていただければと思います。

また、在宅の看取りではご家族の気持ちのケアも重要です。看取る側のご家族は「家族の死を受け入れられるだろうか」「ちゃんとケアできているだろうか」…etc.さまざまな不安を感じています。ターミナルケアに携わる身としてはご家族の気持ちも汲み取りながら、「今は苦痛がなく楽な状態です」というように患者さんの状態を説明し、安心してもらえるように努めています。

在宅でのターミナルケアは人生の終わりに家族で一緒に過ごす大切な時間を提供するものです。ご家族が患者さん本人に対してやってあげたかったことなどを実現させてあげるのも役割。誰もが思い残すことなく、安らかな気持ちのなかで最後のときを迎えられるよう取り組んでいます。

医師を目指した理由

私の実家は洋服店を営んでおり、親戚に医師がいるわけではありません。ですから、「子どもの頃から医師を目指していた」というのとはちょっと違います。大学受験の際に将来どんな仕事に就きたいかを考えたとき、出てきた答えは“人々の人生を豊かにする仕事がしたい”ということでした。音楽家なら音楽で、画家なら絵で、小説家なら物語で他人の人生を豊かにしていけます。私もそのように何らかの技術で他人の人生に貢献したいと思いました。

そこで注目したのが医療です。病気になると健康なときにできていたことができなくなります。そこに介入して本来の人生を取り戻すサポートができる医療はやりがいのある仕事だろうと考えました。医学部進学後、臨床研修などを通じて泌尿器科に興味を持つようになりました。

いろいろと細分化された診療科のなかにあって、泌尿器科は糖尿病などの生活習慣病や癌も診ますし、透析や腎移植も手がけます。患者さんの層も子どもから高齢者まで幅広く、内科的な診療から手術、ターミナルケアまですべて行えるのが泌尿器科です。デリケートな部位の疾患もあることから相談できずに悩んでいる方もいますし、メンタル面も含めて困っている人たちを総合的にフォローできる分野だと感じました。

今後の展望

以前、「友人にバス旅行に誘われたけど、失禁が心配だから行くのをやめようと思っている」という患者さんが来院したことがあります。その方は処方した薬を飲むことで症状が治まり、後日「おかげで楽しく旅行できました」と笑顔で報告してくれました。ほかにも「日課の散歩を再開できるようになった」など、排尿困難・蓄尿困難を克服して活動的な生活を取り戻された方は多くいらっしゃいます。

また、当院で初期の癌を発見し、事なきを得たケースもあります。自分が関わることによって苦痛や不安を取り除き、人々の生活の質を向上させていけるのは何よりのやりがいです。今後の目標は地域の医療環境をさらに向上させていくこと。現在も東京泌尿器科医会の理事や東京都感染予防検討委員会の委員などを務めさせてもらっていますが、泌尿器科の底上げだけでなく在宅医療環境の充実にも力を注いでいきたいと考えています。

そのために、目下、地域のクリニックの先生たちと連携し、24時間体制で在宅患者さんを診ていく仕組みを広げていっているところです。地域のなかで最初から最後まで継続した医療を受けていただけるよう、今後も病診連携・診診連携を強化しながら、充実した地域包括ケアシステムの一端を担っていきたいと思います。

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