男性特有の、前立腺肥大症、前立腺癌、性感染症、ED(勃起不全)でお悩みの方は、ひとりで悩まずにお気軽にご相談ください。

前立腺肥大症

前立腺は男性だけにあり、膀胱の出口から尿がもれないようにしている筋肉である尿道括約筋までの間に尿道を取り囲むようにあります。

正常の大きさは、くるみ大と表現しますが、20g前後です。40歳を過ぎる頃から組織学的に尿道周囲の前立腺組織が大きくなり、尿道を狭くして尿の出口を 塞ぐようになってしまい排尿障害を起こすのが前立腺肥大症という病気です。余り大きいとはいえなくとも前立腺部尿道や前立腺内の平滑筋という筋肉に分布す る神経の受容体が刺激されて収縮を起こし閉塞されても症状が出てきます。

症状

初期には夜間頻尿で下腹部が「チリチリ」して寝つけないと訴える方が多いようです。さらに昼間の頻尿や残尿感、尿が出にくい、勢いがないなどの症状が出現し、進行すれば飲酒や風邪薬などの服用で突然、尿がでなくなったり、腎臓の機能まで影響し腎不全に至る場合もあり注意が必要です。

泌尿器科では、症状を客観的に評価するため、国際前立腺症状スコア(IPSS)で点数化しています。

今のご自身の症状をセルフチェックで確かめてみてください。
IPSSテストページ

検査

尿検査での炎症の有無、直腸診、超音波検査で大きさや形態を評価します。肥大症は癌とも発生年齢が同じであることから鑑別のために血液の検査でPSA(前立腺特異抗原)を測定いたします。

また、実際の排尿状態を評価するために尿流測定といって尿が十分にたまった時点で専用の器械に向かって排尿をしてもらいます。この検査は苦痛を伴うようなものではありません。さらに簡易超音波機器で残尿を測定します。これらを総合的に判断して重症度を判定し、治療の指標としています。

治療

薬物療法が中心になります。主にα-1遮断薬が使用されており、膀胱の出口や前立腺の平滑筋を弛緩させて尿道の抵抗を低くし、尿を出易くします。抗男性ホルモン薬も前立腺を小さくする作用があり、大きい方には有用ですが性欲減退や勃起障害などの副作用が認められます。これら副作用を軽減した新しいタイプの薬剤(5α還元酵素阻害薬)が日本でも処方可能となりました。さらに2014年4月よりED治療でも投与されていたPDE5阻害剤の適応が認められ治療薬剤が拡がっております。症状に併せての使い分けが可能です。

その他には、植物エキス製剤や漢方薬も症状の改善に有効です。薬剤療法の効果がない場合や慢性的な尿閉状態、尿路感染を繰り返す場合、膀胱結石を合併する場合、肉眼的血尿を繰り返す場合、腎不全になるような場合は、手術が推奨されます。手術は、内視鏡手術が主体でレーザー、高熱療法、尿道ステントなどがありますが、いずれも良く相談され治療を受けることを勧めます。

前立腺癌

前立腺癌は前立腺肥大症が進行してなる病気ではありません。欧米では、アメリカにおいては1997年の調査で悪性腫瘍の中で前立腺癌の罹患率は、第一位で 肺がんより多く約43%と報告されております。日本においても高齢化が進んでいることからも急カーブを描いて増加しております。原因として食生活の欧米化 が挙げられ、肥満、肉食、乳製品、動物性脂肪の摂取の増加が一因と考えられています。

また、1993年頃から診断に前立腺癌のマーカーであるPSA検査が導入されて今まで発見されなかったものが診断されるようになったことがあります。

悪性腫瘍の中でも色々な治療が病気の進行度によってあり、適切な治療で十分コントロールできる癌といえますので50歳を過ぎましたら年に1回は検査を受けることをお勧めします。
⇒さらに詳しく知りたい方へ

PSAの高値を指摘された場合、確定診断のためには前立腺生検が必要になりますが、その数値(PSA数値アルゴリズム)により癌の発見される確率はことな ります。出来るだけ無駄な生検をなくし、負担なく鑑別するために他の指標(大きさ、年齢、経時的変動)を加えて判断します。生検で癌と診断された場合は、 病期の進行度を見るためにMRI,CT,骨シンチなどを行い、病期を決定し、治療法を選択することになります。前立腺がんは病期に応じてご自身の生活や希 望を考慮した上で治療を選択できますので良い点、悪い点について十分説明をうけて選択されることを勧めます。心配なことは遠慮なく相談いただければ幸いです。

PSAとは、どんな検査ですか?

前立腺特異抗原といって前立腺から分泌される蛋白で血液の検査でわかります。癌以外の大きな前立腺肥大症や前立腺の炎症でも数値が高くなることもあり、これだけでは癌と診断できませんが、前立腺癌で高いことが多いのです。全く症状のない初期の段階でも上昇がありますので健診や人間ドッグの際に受けていただ くことが早期発見には重要です。

PSAが高いと言われた場合、どのようにすればよいのでしょうか?

基準値より高いからといってすべてがんではなく、確定診断にはさらに詳しい検査が必要になりますので検診や人間ドッグで指摘された場合、泌尿器科を受診さ れることをお勧めいたします。泌尿器科では、PSAを年齢、大きさ、他項目からさらに評価して癌でない人を鑑別するようにしています。それらの結果でがん の疑いが強い方は、確定診断を得るための組織を採取する検査である前立腺生検を行うようにしています。

他の指標

PSA density
前立腺の大きさに対するPSAの割合を表す。

PSA velocity
経時的なPSAの変動値で判断される。

Free PSA
PSAのなかで蛋白に結合していないPSAの割合で判断される。

性感染症(性病)

性交に伴う行為(オーラルも含めて)によって感染する病気の総称を表します。頻度の多いものとしてクラミジア感染症、淋病、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒などが挙げられます。

詳しくはこちらへ⇒性病ページへ

ED

EDは、「満足のいく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できない」と定義されています。

考えられる原因

生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症)
骨盤内手術後の後遺症
ストレス
更年期障害 etc…

EDは治療薬により改善が期待できる疾患です。
詳しくはこちらをご覧ください。⇒EDページへ

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