女性特有の尿失禁、過活動膀胱、急性膀胱炎、間質性膀胱炎などでお悩みの方、「歳だから」「おしっこのことだから」と諦めずお気軽にご相談ください。

尿失禁

尿失禁は、意思に関係なく尿が漏れてしまう状態で大きく3種類に分類されます。

腹圧性尿失禁

咳、くしゃみ、いきみ、各種スポーツなどお腹に力がかかると尿が漏れてしまうタイプで最も女性に多い症状です。30歳代女性でも約30%に見られるといわれており、出産経験者では40%にものぼると報告されています。女性の骨盤を底で支えている筋肉を骨盤底筋群と呼び、ここが緩むと尿道や膣が締まらなくなり、尿が漏れてしまうのです。治療は、骨盤底筋体操が中心で内服薬を補助的に使用することがあります。症状が強く、子宮脱や膀胱脱を伴う場合は、外科的治療も行います。

切迫性尿失禁

尿がたまると急に強い尿意に襲われてトイレまで間に合わず漏れてしまうタイプです。膀胱が過敏に反応している状態で意思に関係なく膀胱の収縮を起こす状態で脳などの中枢神経の障害や膀胱機能障害が原因になりますが、明らかな神経の障害がなくても起きることがあります。過活動膀胱と同様に薬物療法が中心に治療をします。

溢流性尿失禁

このタイプは、排尿障害があり残尿が多く、膀胱容量以上になるとあふれて漏れてしまう状態です。原因としては、末梢神経の障害で膀胱の収縮力が低下して排出出来ないためで糖尿病の神経障害や脊椎疾患、直腸癌・子宮癌術後などに見られます。治療は、膀胱の収縮力を高める薬や膀胱の出口の緊張を緩和する薬を使います。

当院では、尿検査、尿流測定、残尿測定、超音波検査などでこれらのタイプを鑑別し適切な治療を提供いたします。 外科的な治療を要する場合は、ご希望に沿って紹介いたします。 尿失禁や過活動膀胱はQOL(生活の質)を損なう疾患であり、積極的にスポーツや旅行を楽しむことや、ひいては外出さえも出来ないと精神面にも影響を与え快適な生活が得られなくなります。歳だからあるいは、おしっこのことだからと諦めずに是非、お気軽にご相談ください。

急性膀胱炎

女性は、尿道が男性と比べ約4cmと短く、尿道口と膣や肛門との間が近いので細菌が侵入しやすいため膀胱炎になりやすいといえます。膀胱に細菌が入ると粘膜が炎症を起こすため頻尿や排尿痛、残尿感といった症状がでます。尿も混濁し、血尿になることもあります。尿の検査で直ぐに感染は判りますので思い当たる症状があるときは相談してください。治療は適切な抗菌薬を使用すれば1-5日程度で改善します。繰り返す場合は、感染が原因でない場合も考えられますので悩まれている方は相談ください。(間質性膀胱炎など)

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎は、女性に多く、膀胱炎と同じような症状で抗生剤の治療を受けても頻尿や尿意切迫症状、膀胱不快感、膀胱痛などの症状が続く場合に疑われます。原因としても種種の要因により特定するのは難しい疾患です。なかなか診断されずにつらい思いをされている方も多いと思います。診断は、症状(膀胱痛、尿意切迫感)と他の病気を除外することと膀胱内を内視鏡で観察して特有の病変(点状出血、潰瘍)を確認することになります。治療は、膀胱水圧拡張術や内服、食事、行動療法などを組み合わせて行います。難治性ではありますが、お一人で悩まないようご相談ください。

間質性膀胱炎セルフチェック

ご来院の際、セルフチェックをしたシートをご持参いただくと、スムーズに診察がおこなえます。

間質性膀胱炎
セルフチェックシート(PDF)

過活動膀胱

過活動膀胱は、急な我慢できない尿意があり頻尿や夜間頻尿を伴う状態です。失禁があるかどうかではないのでこれらの症状があれば診断されます。但し、他の疾患(膀胱癌、膀胱炎、膀胱結石、前立腺癌など)を除外する必要があります。検査は、症状の問診(過活動症状質問票)と除外するための検査(尿検査、超音波検査、尿流測定、残尿測定)で診断します。40代以上の方の8人に1人は、症状を持っていると言われ、決して少ないわけではないのです。生活するうえで快適さを損なわれる疾患であり、膀胱が過敏に反応している状態を改善する薬などで緩和されます。

過活動膀胱セルフチェック

ご来院の際、セルフチェックをしたシートをご持参いただくと、スムーズに診察がおこなえます。

過活動膀胱
セルフチェックシート(PDF)

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